不動産の相続時に、「権利証を紛失してしまった!」「どこにあるかわからない」という声はよく聞きます。
権利証は日常的に使うものではないので、仕方がないですよね。
この記事では不動産相続における権利証の必要性や不要な場合の理由、例外的に必要になるケースをお伝えしますので、ぜひご覧ください。
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弊社へのお問い合わせはこちら紛失しても大丈夫?不動産相続における権利証の必要性とは?
まず不動産相続における権利証の必要性や、紛失してしまった場合の対処法を見ていきましょう。
そもそも権利証は「この不動産は間違いなく自分のもの」ということを証明する書類で、「登記済証」または「登記識別情報通知」が正しい名称です。
不動産相続や売却で所有者が変わったとき、権利証を提出する必要性があります。
しかし、実は不動産相続での名義変更の場合はなくても問題ありません。
相続の場合、所有者である本人はすでに亡くなっているため、権利証で証明しなくても住民票でチェックできるからです。
一般的な不動産売買や贈与で所有者変更する際、売り主や贈与する側は生存しているかと思います。
その場合は権利証の必要性がありますが、すでに亡くなっている人の意思を確認することができない不動産相続では、基本的に不要なのです。
相続における登記で必要なものは?
では権利証を紛失した場合、相続登記にはどのような書類が必要なのでしょうか?
●被相続人の住民票の除票(被相続人が亡くなった事実を証明するもの)
●相続人の住民票(誰が相続人なのかを知るための書類)
●相続する不動産の評価証明書(固定資産課税台帳に記載されている土地や建物の証明書で、資産評価額を証明するもの)
●遺言書(あれば用意する)
●遺産分割協議書(相続財産をどのようにわけるのか)
一般的には上記の書類を持って不動産相続を進めていきますが、相続の仕方によって必要書類は異なります。
相続には権利証の必要性を感じますが、「被相続人の住民票の除票」で所有者が特定できるので、原則不要だということをおさえておきましょう。
再発行は不可能
「紛失したら再発行してもらおう」と思う方もいますが、再発行は不可能です。
正当な理由や盗難で紛失しても、再発行はできないので注意してください。
それほど大切な書類ということなので、なくさないよう大切に保管しておくべきでしょう。
また権利証だけでなく不動産相続に関係する重要書類は、実印や印鑑証明書、通帳やなどと一緒に保管している方も多いのではないでしょうか?
紛失したり盗難にあったりすると、事件やトラブルに巻き込まれる可能性があるので、適切な場所で管理しなければなりません。
紛失するといらない費用や手間がかかり、精神的にも疲れてしまいます。
家族で話し合い、どこに保管しているのか決めておくといいですね。
不動産相続で権利証を紛失しても大丈夫な理由
次に不動産相続で権利証を紛失しても大丈夫な理由を見ていきましょう。
先ほどもお話しした通り、相続した不動産を売却する際、基本的に権利証は必要ありません。
紛失してしまっても以下の手続きを取れば売却が可能なので、権利証がなくても慌てず対処しましょう。
事前通知制度を利用する
権利証がなくても大丈夫な理由として、まず挙げられるのが「事前通知制度を利用できる」という点です。
権利証がない状態で所有権移転の手続きをすると、後日売り主へ法務局から事前通知に関する書類が届きます。
2週間以内に事前通知を法務局に申請し、承認されれば相続人に所有権が移るので、権利証がなくても登記が可能です。
事前通知制度が有効な理由は、発送時に本人限定受取郵便を利用しているからです。
受け取り時には売り主本人の実印を使用するため、その印鑑をもって本人確認をおこなえます。
しかし事前通知制度を利用するためには、売り主が2週間以内に手続きしなければなりません。
また法務局へ返送されないと登記をおこなえないというデメリットも生じます。
登記申請が却下される可能性があるので、事前通知制度を利用する場合は、売り主と買い主双方の協力が不可欠です。
売り主側に「後日法務局から書面が届くので、返送してください」と一言伝えておくといいかもしれません。
また事前通知制度は無料で実施できるので、権利証を紛失した不動産相続では多くの方が利用しています。
有資格者による本人確認がおこなえる
「司法書士などの有資格者による本人確認」をおこなえば、権利証がなくても不動産相続が可能です。
本人確認情報を登記所へ提出してもらえば、売り主側が間違いなく登記名義人本人であることを証明できます。
有資格者による手続きなので安心感がありますが、有資格者への報酬が必要です。
数万円ほど必要なので、その費用をだれが負担するのか、どのように捻出するのかを検討しなければなりません。
知り合いに有資格者がいればいいのですが、いない場合は探す手間もかかるでしょう。
コストや安心感、手間などを考慮したうえで決めてください。
公証人に依頼する
権利証がなくても大丈夫な理由はもう1つあります。
それは「公証人による本人確認」というものがあるからです。
不動産相続時におこなう登記申請の際、公証人に手続きをチェックしてもらい、間違いなく本人が署名したこと確認してもらいます。
公証人役場に足を運ばなければなりませんが、有資格者による本人確認と同様、安心感があるでしょう。
このように権利証を紛失しても不動産相続や売却はおこなえます。
複数の方法があるので、そのときの状況に応じて利用しやすいものを選んでください。
不動産相続で権利証を紛失しても例外的に必要なのは?
不動産相続で権利証を紛失しても、原則提出は不要とお話ししましたが、例外的に必要になるケースがあるので注意してください。
必要書類を準備できないとき
先ほど権利証を紛失した場合にそろえる書類をお伝えしましたが、その書類を準備できない場合、権利証が例外的に必要です。
とくに被相続人が亡くなった事実を証明する、被相続人の住民票の除票がない場合、法務局が所有者を特定できません。
法務局は不動産相続における登記の際、住民票の除票で所有者をチェックするので、準備できない場合は権利証を探す必要性があるでしょう。
また住民票の除票以外の書類がそろわない場合も、例外的に相続登記を実行できないまたは時間がかかることがあります。
そのため相続登記をおこなう前に、法務局でどのような書類が必要なのか聞いてみると安心ですね。
登記上の住所や名前が一致しない場合
登記上の住所や名前が一致しない場合も、例外的に権利証が必要です。
被相続人が何度も引っ越しをして最終的な住所がわからない場合や、改姓で登記上の名前と異なる場合があります。
登記されている住所と名前がすべて一致しないと、本人確認や所有者の特定ができず、相続登記をすすめられません。
引っ越しとともに住民票を移動するのが一般的ですが、なかには移動せずそのままにしている方もいます。
「被相続人が亡くなって、不動産相続の開始とともに知った」というケースもめずらしくないので、申請前に登記上の住所と名前が一致しているか確認しておきましょう。
まとめ
この記事では不動産相続における権利証をテーマに、必要性や不要な理由、例外的に必要になるケースを詳しくお伝えしました。
再発行のできない大切な書類なので、紛失して慌ててしまう方もいると思います。
別の方法で本人確認を取ったり必要な書類を準備したりすれば、不動産相続の登記が可能なので、落ち着いて対処してください。
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