自然素材の家を建てるときに迷うことが多いのが、水回りの床材です。
室内は無垢材フローリングと決めているものの、決して水には強くない無垢材を水回りにも使っていいものか、判断に困ってしまうようです。
そこで今回は、自然素材の家の水回りに適した床材の種類や、無垢材を水回りに使うときの注意点を解説します。
無垢材のメンテナンス方法もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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そもそも水回りとはどういった場所を指すのか、自然素材の家における水回りにはどういった素材を使うといいのかを紹介します。
そもそも水回りとは?
水回りとは、住宅のなかにおいて、水を使用する場所の総称で、主に以下の箇所を指します。
●キッチン
●洗面所
●浴室
●トイレ
上記のような場所は、頻繁に水を使うため湿度が高くなりがちで、住宅のなかでも劣化が速く進む箇所です。
水回りは、キッチンや浴槽、便器セットなど、設備が必要になるので、新築においてもリフォームに際しても費用がかかる箇所になります。
そのためできるだけ水分による劣化を避けるため、床材には水に強い素材が選ばれます。
自然素材住宅の水回りに適した素材とは?
自然素材住宅においても、水回りの素材を選ぶ基本は「水に強いこと」です。
一般的な住宅であれば、水回りについては耐水性が高く、掃除が簡単であるといった理由でクッションフロアといった素材が選ばれます。
しかし化学物質を含む粘着剤を使用するクッションフロアは、自然素材住宅では通常使用しません。
自然素材住宅の水回りで使用されるのは、以下のような素材です。
タイル
タイルは粘土を主原料として、薄い板状に焼き上げられた建材です。
なかでも磁器質タイルは、1200~1350度の高温で焼成されていて、吸水率1%以下とほとんど水を吸いません。
そのため浴室や洗面所、キッチンの立ち上がり部分などに使用されることが多い素材です。
タイルのなかでも繰り返し人が歩く床については、摩擦や汚れに強い磁器質やせっ器質の床タイルが選ばれます。
コルクタイル
コルクタイルとは、コルクガシの樹皮を板状にして圧縮加工した床材のことです。
弾力性や防音性に優れ、防水性も高いことが特徴です。
コルクは微細な気泡を持つため水を吸収するように見えますが、長時間水につけても内部にしみ込んでいくことはありません。
ワインの栓にコルクが使用されていることからも、吸水しないことは明らかです。
無垢材は水には弱いが使い方次第
自然素材の家では、無垢材を水回りにも使用したいと考える人は少なくありません。
居室や廊下との一体感をもたしたい、無垢材のやわらかな肌触りが好きといったさまざまな理由があるでしょう。
無垢材を水回りで使用するときには、いくつか注意点があるので次章で紹介していきます。
自然素材住宅の水回りに無垢材を使うときの注意点
無垢材は基本的に水分に弱いとされているので決して水回り向きではありませんが、使用すること自体は可能です。
水回りに無垢材を使用するときにはいくつか注意することがあるので、紹介していきます。
「ぬれたら拭く・乾燥させる」を習慣にする
無垢材は水を吸い込みやすいので、「ぬれたら拭く・乾燥させる」を習慣づける必要があります。
同じ水回りでも、トイレやキッチンは、浴室の隣にある洗面所ほど水でぬれることはありません。
洗いものや手を洗うときに水がはねてぬれる程度であれば、その都度拭くことを習慣にしていればいい状態を保てます。
洗面所についても、家族が入浴を終わって湿度が一番高くなっているときに、きちんと乾燥させることを習慣づけましょう。
最後に使った人がぬれた箇所をさっと拭き上げることはもちろん、換気扇や小型扇風機を常に回しておくのもおすすめです。
水に比較的強い種類を選ぶ
水回りに使う無垢材を、比較的水に強い種類から選ぶのもいいでしょう。
一般的にヒノキやヒバ、レッドシダーなどのヒノキ系の木材は、水に強いとされています。
高級な温泉で、「ヒノキ風呂」として浴槽に使われることもあるほどです。
ヒノキ系の木材は抗菌作用があるため、ぬれた状態でも雑菌が発生しづらいメリットもあります。
まな板に使われることが多いのも、ヒノキ系の木材です。
木目が美しいうえ香りもよく、建材として高い人気を誇ります。
ただし、ヒノキ系の木材は、高額になる点には注意しましょう。
キッチンでは油をできるだけガードする
無垢材の敵となるのは水分だけではありません。
キッチンでは、油による汚れも無垢材を使用するうえで悩ましい問題になります。
水がはねて汚れてしまったくらいなら、さっと拭き取ってあげれば乾けば目立たなくなってしまいます。
しかし油がはねてできたシミは、木材に浸透してしまい、しかも水のように乾燥してなくなることがないのでやっかいです。
そのためキッチンで無垢材フローリングを使用するなら、油を使う料理をするときには床に新聞紙を敷いておくなど、あらかじめガードしておくことが大切です。
オイル塗装やワックスで表面を保護する
水に強い木材を使い、その都度拭き上げることも大切ですが、ついつい手入れがおろそかになってしまうこともあるでしょう。
そういったときのことを考えるのであれば、やはり塗料などを使用して表面を保護しておくのが有効です。
とはいっても、ウレタン塗料などで表面をピカピカにコーティングしてしまっては、無垢材を選んだ意味がありません。
浸透系のオイル塗装やワックスなどを塗り込んで、水分がしみこんでシミになったり、表面に傷がついたりするのを防いでおくといいでしょう。
自然素材住宅の水回りの床に無垢材を使う際のメンテナンス方法
自然素材住宅の水回りの床に無垢材を使うときの、メンテナンス方法を紹介します。
日常のメンテナンス
無垢材フローリングの日常のメンテナンスは、水回りであってもリビングやその他の居室と同じです。
表面のチリやホコリは掃除機で吸い込んで取り除き、固く絞った雑巾で拭き上げておきます。
ドライタイプのフロアワイパーも使えますが、化学雑巾や化学薬品を含むウェットタイプのシートやモップは使用を避けましょう。
自然素材住宅の水回りの無垢材には浸透性塗料やワックスを使おう
自然素材住宅の水回りの無垢材に塗料を使うときには、浸透性塗料を使用するのがおすすめです。
塗料を使うことに抵抗感を覚える人もいるようですが、化学物質を含まない安全なものが多く販売されています。
蜜ろうワックスなど、完全に天然由来のものもあるので、そういったものを選ぶようにするといいでしょう。
ワックスでお手入れをするタイミング
浸透性塗料を塗った無垢材フローリングは、定期的にお手入れすることも大切です。
一般住宅であれば、1年に1度を目安にワックスを塗り直すといいでしょう。
あまり頻繁に塗り直してもべたつきの原因となって、かえって汚れがつきやすくなってしまうので気をつける必要があります。
無着色の塗料を選べば、塗りむらが出ることもなくDIYでもきれいに塗り直しができます。
ワックスを塗り込むときには、少量を薄くすりこんで、べたつきがなくなるまで乾いた布でから拭きをすることがポイントです。
まとめ
自然素材の家の水回りで使える床材の種類や、無垢材を使用するときの注意点とメンテナンス方法を紹介してきました。
無垢材は決して水回り向きの素材ではありませんが、水に強い種類を選ぶ、こまめに水分を拭き取り乾燥させるといった点に注意すれば使用に問題はありません。
それでも水回りに使用するのが気になるようなら、蜜ろうワックスなど安全な浸透性塗料を使用して、表面を保護することがおすすめです。
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