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家族が遺した大切な資産を預けられる「相続定期預金」をご存じですか?
相続財産の不動産を換金した資金にも利用できますよ。
今回の記事では、「相続定期預金」とはどんなメリットやデメリットがあるのか、概要からわかりやすくご説明します。
ほかの定期預金とは違う金利優遇など、チェックしておきたい内容です。
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弊社へのお問い合わせはこちら相続したら検討したい!?金利優遇のある「相続定期預金」の概要とは
誰がどこで利用できる?「相続定期預金」の概要
「相続定期預金」とは、相続人が受け取った資金を一定期間有利な金利で預けられる預金で、おもに信用金庫、地方銀行などが扱っています。
普通預金とは違い、預け入れの期間が設けられており、期間中は出金できないかわりに金利が高いのが定期預金です。
「相続定期預金」も誰もが親しみのある定期預金の一種であり、商品種別でいえば大口定期預金やスーパー定期といえますが、通常の定期預金とは違う特徴を備えています。
そのひとつが、預け入れられるのは、相続で受け取った資金のみという点です。
しかし、相続で受けとるのは現金や預貯金とは限らず、多くを占めるのが不動産であったり、株、債券などの有価証券などであったりというケースも多いですよね。
「相続定期預金」では、不動産や有価証券の売却資金も預けられます。
被相続人が遺す大切な遺産を安心して、確実に保管、運用できる方法のひとつといえそうですね。
預け入れの期間は、取り扱う銀行によっても変わってきます。
多く見られるのは、3カ月、6カ月、1年ですが、なかには3年や5年という金融機関もあります。
また、利用自体には期間を定めていない場合が多く、期間を終えたら、金利を見直した後に新たな期限で継続できるという商品も一般的です。
払戻しの方法に関しては、基本的に分割払戻しはなく、満期になった以降に一括払戻しとなります。
預入金額と気になる「金利」の概要
相続の規模もさまざまなケースがありますが、「相続定期預金」ではどこまで預けることが可能なのでしょうか?
預入金額は「100万円から」とし、上限に関しては「相続で受け取った金額」までとする金融機関が多いです。
一般的な例とは異なり、下限が10万円、50万円という少額から利用しやすいケースもあれば、300万円以上、500万円以上という金融機関もあります。
上限に関しても、3000万円や1億円までと指定している場合もあるので、利用したい金融機関ごとに確認しましょう。
気になる金利の方式は、定期預金の金利に上乗せ金利をプラスしているパターンが多く見られます。
もしくは、預け入れの期間に応じて、固定金利とする場合もあります。
固定金利とはしていても、随時、金利を見直すところも多いので、あわせて確認したいポイントです。
具体的な金利優遇のパーセンテージについても、後述の「高金利のメリットと目安」で、さらに詳しく解説します。
手続きの概要と必要書類
相続された人にとって有利な「相続定期預金」ですが、利用するためには、その資金が相続によるものだとの証明が求められます。
そこで、必要となる手続きの概要もご紹介します。
「相続定期預金」の利用は、相続自体の手続きをおこなった金融機関に預けるか、それ以外かで書類などが異なります。
まず、遺産を受け取る相続手続きをおこなった金融機関の場合は、相続の概要を金融機関が把握しているため、「相続定期預金」の手続きもシンプルです。
申込みで、おもに必要なものは「本人確認書類」と「届出印」です。
一方、被相続人が預金していた金融機関を解約し、別で「相続定期預金」を利用するケースなどは、相続の概要を金融機関が把握できていません。
そのため、本人確認書類、届出印に加えて書類が増えます。
預貯金の場合には「被相続人名義の解約通帳」と「計算書の写し」。
相続人と証明する「戸籍謄本の写し」や「遺言書の写し」のほか、「遺産分割協議書の写し」などが必要です。
また、不動産や有価証券を売却して預け入れる場合は「売買契約書」など、保険金の場合は「保険金等支払通知書」なども用意します。
なお、「相続定期預金」の利用は、故人の死亡日から1年以内の預け入れを条件とする場合が多いのですが、なかには6カ月以内とする金融機関もあるので、期限にも気を付けておきたいですね。
相続人が有利に活用できる「相続定期預金」のメリットとは
高金利のメリットと目安
「相続定期預金」のメリットは、なんといっても金利の高さです。
金利優遇は、金融機関によって異なりますが、たとえば「上乗せ金利」方式の場合、店頭表示金利にプラスして0.2%から0.4%とするところが一般的といえそうです。
なかには、「3カ月で店頭表示金利+年1.0%」という金融機関もあります。
預け入れの期間が3カ月であることに着目して、年としてみると0.25%相当です。
上乗せ型でも、固定型でも金利と一緒に預け入れの期間も考慮して検討するとよさそうです。
しかし、ご存じのとおり、預金の金利が低い現在。
代表的なメガバンクの通常の定期預金では、「スーパー定期」(300万円未満、300万円以上)も、「大口定期」(1,000万円以上)も、期間を問わず、金利はどれも0.002%です。
比較すると1桁違いますから、「相続定期預金」の金利優遇は魅力的なメリットと感じられますね。
※記事執筆時点での内容です。
銀行と相続の相談ができる機会
金利以外にも、「相続定期預金」のメリットはあります。
銀行をはじめとする金融機関とは"お金のプロがいる場所"です。
相続をする前から、「相続定期預金」についての質問はもちろん、専門家に相談できるきっかけとなり得ます。
自分で調べるだけとは違う、さまざまな知識を得られるかもしれません。
とはいうものの、普段、金融機関の利用は「ATMで預金の出入金のみ」という方も多いのではないでしょうか。
いきなり個人で相談しにくいときには、無料のセミナーなどが開催される場合もあるので、ぜひ賢く活用したいですね。
相続して「相続定期預金」を活用する際の注意点とデメリットとは
中途解約によるデメリット
相続人だけが活用できる「相続定期預金」とは、金利が一番の魅力です。
万一、途中で解約すると、せっかくのメリットは受けられません。
たとえば、預け入れたものの、相続税の納税のために解約すると、金利優遇の恩恵も消えてしまいます。
中途解約することはデメリットといえますから、このような事態を防ぐためにも、預け入れの期間や金額に注意しておきたいですね。
満期の後の注意点
「相続定期預金」は、預け入れの期間が短く、ほとんどが3カ月、6カ月、1年ほどで満期になります。
そのあとは、高金利ではなく、通常の定期預金の金利に変わってしまいます。
また、まとまった預金をしているので、「相続定期預金」の満期にあわせて、金融機関が"より有利な運用"として、保険や定期預金と投資信託を組み合わせた商品などをすすめてくるケースがあります。
自分にとって、ちょうど必要な商品や運用法であったなら、デメリットとは限りません。
しかし、十分に理解する前に購入すると、結果的に手数料が高かったり、思ったときに解約できなかったりというデメリットが生じる可能性もあります。
被相続人から受け取った大切な資金ですから、満期の後についても慎重に検討しましょう。
まとめ
「相続定期預金」とはどんな預金なのかの概要と、メリット、デメリットをあわせて解説しました。
受け継いだ資金をどう使うか決まってないときなど、金利優遇のある「相続定期預金」を活用し、預け入れの期間中に資金計画を立てるというのも、よい利用法といえそうですね。
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